「あれ『可愛い』か? 同じ男だぞ。よく『変な形のぬいぐるみ』持ち歩いてるし、ただの変な奴だろ」
「え? 変な形?」
「は? 変な形だろ?」
その時、サードたちの声に反応するように、数メートル先でエミルが足を止めて、こちらを振り返った。
何か失言しただろうか。
だって、『変な形』だろ……?
冷や汗が、背中を伝っていくのを感じた。ここ最近、台詞を間違えてしまう事がたびたび起こっているのは、寝不足のせいだろうか。
そう考えたところで、ふと、自分が必要以上に口を開いているせいだと気付いた。だって、『風紀委員長のサード・サリファンは無駄なお喋りはしない生徒』だから。
サードは咳払いを一つすると、表情を引き締めて、話をすり替えるようにしてこう言った。
「俺に『女の子の趣味』はないからな」
「はぁ。それは存じ上げておりますが……。委員長は、誰よりも男らしいですからね」
その凛々しいお姿で、女の子趣味がある方が驚きますよ、と風紀部員が呆れたように呟いた。エミルがコテンと小首を傾げ、それから視線を離して歩き去って行った。
「え? 変な形?」
「は? 変な形だろ?」
その時、サードたちの声に反応するように、数メートル先でエミルが足を止めて、こちらを振り返った。
何か失言しただろうか。
だって、『変な形』だろ……?
冷や汗が、背中を伝っていくのを感じた。ここ最近、台詞を間違えてしまう事がたびたび起こっているのは、寝不足のせいだろうか。
そう考えたところで、ふと、自分が必要以上に口を開いているせいだと気付いた。だって、『風紀委員長のサード・サリファンは無駄なお喋りはしない生徒』だから。
サードは咳払いを一つすると、表情を引き締めて、話をすり替えるようにしてこう言った。
「俺に『女の子の趣味』はないからな」
「はぁ。それは存じ上げておりますが……。委員長は、誰よりも男らしいですからね」
その凛々しいお姿で、女の子趣味がある方が驚きますよ、と風紀部員が呆れたように呟いた。エミルがコテンと小首を傾げ、それから視線を離して歩き去って行った。