「役職持ちでありながら、その他大勢の生徒と同じ待遇とは、恥ずかしくはないのですか。ゆくゆくは次期『皇帝』の右腕か左腕に収まるのであれば、今のうちから、きちんと相応しく動くべきでは?」
「はぁ? なんだそりゃ」
つい、素で尋ね返してしまった。
そんな話など聞いたこともない。問うようにサードが訝しげな目を向けると、レオンが冷ややかな美貌をやや上げて、中指で眼鏡を押し上げてからこう言った。
「この学園に『次期皇帝』がいて、将来の幹部たちも揃っている状況であれば、何も不思議なことはないでしょうに。あなたは、前代未聞の『最強の風紀委員長』。『皇帝』を支える剣として、名家であるソーマとあなたが必然的に軍の総――」
「おいおい、そんなのおかしいだろ。だって俺は、聖軍事機関には入隊しないんだぜ?」
「は……?」
初めて見るレオンの呆けた顔を見て、サードは、うっかり本音で言葉を返してしまったと気付いた。
風紀委員長である『サード・サリファン』は、拾い育てくれた義父のために精進する学生、という設定だ。向上心を持って学園での役職に務めている生徒が、聖軍事機関を目指さないというのは設定に相違が生じてしまう。
「はぁ? なんだそりゃ」
つい、素で尋ね返してしまった。
そんな話など聞いたこともない。問うようにサードが訝しげな目を向けると、レオンが冷ややかな美貌をやや上げて、中指で眼鏡を押し上げてからこう言った。
「この学園に『次期皇帝』がいて、将来の幹部たちも揃っている状況であれば、何も不思議なことはないでしょうに。あなたは、前代未聞の『最強の風紀委員長』。『皇帝』を支える剣として、名家であるソーマとあなたが必然的に軍の総――」
「おいおい、そんなのおかしいだろ。だって俺は、聖軍事機関には入隊しないんだぜ?」
「は……?」
初めて見るレオンの呆けた顔を見て、サードは、うっかり本音で言葉を返してしまったと気付いた。
風紀委員長である『サード・サリファン』は、拾い育てくれた義父のために精進する学生、という設定だ。向上心を持って学園での役職に務めている生徒が、聖軍事機関を目指さないというのは設定に相違が生じてしまう。