室内での飼育は無理そうだ、残念である。

 そう理解して素直に諦めたサードに、スミラギは小さく息を吐いた。

「動物は本能的に危機を察知し逃げることが出来ますから、外にいれば、結界が発動する前に敷地の外に出てくれるでしょう。また見掛けることがあったのなら、野良猫としての触れ合いに留めて接触すし過ごすくらいであれば、問題ありません」
「ふうん、了解。そういえば、猫って何を食べるんだ?」
「キャットフードです」
「『キャットフード』ってなんだ?」
「猫専用で売られている『猫用ごはん』です。もしくは魚ですね」

 ここは孤島であるので、港付近では魚を得られやすい環境が整っている。そこでは餌を提供する人間も少なからず存在しているようで、島にも少なからず野良猫は生息しているのだ、とスミラギは教育係として淡々と説明していった。

 思い返せば、あの仔猫は痩せてもいなかった。ならばゴハンには困っていないのだろうと納得していると、彼が続けてこう言ってきた。