「……リュー、悪いけど先に風紀委員室に戻って、書類を片付けてもらってもいいか? 俺も後で行くから」
「はい。分かりました」
見周りの人数を書類の手伝いに回す案についても話したかった、という顔をしたものの、リューはそう答えて踵を返して行った。
こちらも用事を済ませてしまおう。スミラギが待ってる。
サードは生徒会一同に「じゃあな」と告げて歩き出した。しかし、不意に、ロイたちの後ろから書記のソーマが「あのッ」と呼び留める声を上げてきた。
肩越しに振り返って、光りに透けると灰色にも見える髪と明るいブラウンの瞳をした、生徒会の中では比較的平凡寄りの少年に目を留めた。パチリと視線が合ったソーマが、「あ」と我に返った様子でわたわたとする。
「えっと、その……頑張ってくださいね」
ぎこちない笑みを浮かべてそう言ってきた。
彼から声を掛けられたのは、初めてのような気がする。サードは珍しいなと不思議に思いつつも「そっちもな」と、苦労性の書記を思って片手を振って返事をしてから、リューとは反対方向へと足を進めた。
「はい。分かりました」
見周りの人数を書類の手伝いに回す案についても話したかった、という顔をしたものの、リューはそう答えて踵を返して行った。
こちらも用事を済ませてしまおう。スミラギが待ってる。
サードは生徒会一同に「じゃあな」と告げて歩き出した。しかし、不意に、ロイたちの後ろから書記のソーマが「あのッ」と呼び留める声を上げてきた。
肩越しに振り返って、光りに透けると灰色にも見える髪と明るいブラウンの瞳をした、生徒会の中では比較的平凡寄りの少年に目を留めた。パチリと視線が合ったソーマが、「あ」と我に返った様子でわたわたとする。
「えっと、その……頑張ってくださいね」
ぎこちない笑みを浮かべてそう言ってきた。
彼から声を掛けられたのは、初めてのような気がする。サードは珍しいなと不思議に思いつつも「そっちもな」と、苦労性の書記を思って片手を振って返事をしてから、リューとは反対方向へと足を進めた。