今の生徒会は、『次期皇帝』であるロイを筆頭に、次代の聖軍事機関のトップと幹部候補が揃っている。それは全て、百年ごとに悪魔と戦い続けている聖騎士の子孫たちだった。

 学園の『月食の悪魔』の伝承を知る人間から見れば、当人たちが「今世代に悪魔との戦いがありますよ」と看板を背負って歩いているようなものだ。緘口令が敷かれたままであるせいか、今のところ学園内でそのような噂は流れていない。

 ロイを含む生徒会メンバーは、王族の従兄弟や宰相といった上級貴族の息子たちである。そのために、彼らを失わない作戦を親たちが秘密裏に進め、加担していた一件が『半悪魔』の実験だった。

 これから起こる計画を知ったら、彼らは努力を返せと怒るか、それとも安堵するのか。

 その時の反応については、彼らと接点の少ないサードには想像出来ないでいた。皇帝と国王を尊敬しているらしいレオン辺りは、「一番よい方法です」とあっさり納得しそうな気もするけれど。

 とはいえ、生徒会の人間は、どれも個性派揃いで食えないやつが多すぎる。