「俺は、保健課のスミラギ先生に、健康診断の日程を報告して来る。当日は、スミラギ先生が王宮医師団の案内役になっているからな」
「スミラギ先生って、去年赴任してきたばかりの新しい先生だよね? 厳しい人だけど、サード君が懐いているのが意外なんだよなぁ」
「は? 懐く? 待てコラ、どうしてそうなる」
「だって、よく保健室に行くじゃない。みんな彼の怖さに恐れをなして、あまり立ち寄らないのに」
保健室に行く時は人目を盗んでいるつもりだったが、いつ見られたのだろうか。ユーリスは普段から笑顔なので裏が読みにくく、だからこそサードは彼のことが苦手でもあった。
昨年赴任してきたスミラギは、サードが地上に出て数日経った頃に、教育係として送られて来た研究員だった。同じように潜伏を命じられ、現在は学院の保健室で保健担当の教師となっている。
線の細い綺麗な顔はしているが、スミラギは恐ろしいほど愛想を知らない男だ。怪我の治療にあたる時も一切の同情がなく、機械のように淡々と仕事だけをこなす。冷ややかな視線一つでブリザード級の空気を作り、冗談さえ通じない彼のことを、生徒たちが『魔王』と呼んでいることもサードは知っていた。
「スミラギ先生って、去年赴任してきたばかりの新しい先生だよね? 厳しい人だけど、サード君が懐いているのが意外なんだよなぁ」
「は? 懐く? 待てコラ、どうしてそうなる」
「だって、よく保健室に行くじゃない。みんな彼の怖さに恐れをなして、あまり立ち寄らないのに」
保健室に行く時は人目を盗んでいるつもりだったが、いつ見られたのだろうか。ユーリスは普段から笑顔なので裏が読みにくく、だからこそサードは彼のことが苦手でもあった。
昨年赴任してきたスミラギは、サードが地上に出て数日経った頃に、教育係として送られて来た研究員だった。同じように潜伏を命じられ、現在は学院の保健室で保健担当の教師となっている。
線の細い綺麗な顔はしているが、スミラギは恐ろしいほど愛想を知らない男だ。怪我の治療にあたる時も一切の同情がなく、機械のように淡々と仕事だけをこなす。冷ややかな視線一つでブリザード級の空気を作り、冗談さえ通じない彼のことを、生徒たちが『魔王』と呼んでいることもサードは知っていた。