こちらが半悪魔体と知っているのに、それをあっさりと受け入れて、なんの問題もないと言わんばかりに接してくれるリュー達との会話は気が楽だった。『サード・サリファン』の設定に縛られていた頃よりも、居心地がいい。

 お前らは変わらないんだな、と、それがサードには少しだけ嬉しかった。またしても好き勝手話し出した彼らを前にして、追加注文をする事を決めた。

「んじゃ、そうするかな」

 サードは、そう答えて立ち上がった。

 ふと、こちらに向かってくる生徒の気配を感じた。肩越しに目を向けてみると、山のように盛られた唐揚げの存在感が目立つ定食セットを持った、三学年生の風紀部員が二人いた。

「委員長、お疲れ様です。ココにいるって噂を聞いて来たんですけど、本当だったんですねぇ」
「話は聞いてましたよ。俺の一番のおすすめは、なんといってもこの唐揚げ定食ですね! 超特大盛りまでありますよ」
「ふうん、そうなのか。じゃあ、それを注文してくる」