そもそも半悪魔体であると知られたのに、引き続き風紀委員長として学生生活が続くとすると、学園内の状況も非常に気になる。あの視線は、どう悪化しているのだろう、と想像すると気が重い。

 半悪魔は、嫌われて当然の存在だ。これまでの『サード・サリファン』の設定ですら批判が強かったのだから、もしや突然の事態に自分の意見を出せなかっただけで、より反風紀委員長派の風が強まっているのでは……?

 そう考えていると、エミルがロイの後ろからひょっこり顔を覗かせてきた。

「サリファン君、眉間に深い皺が出来てるよ?」
「放っておいてくれ、会長補佐……。ちなみに、あの日から何日経った?」
「四日と少しだよ」

 その分に溜まっているだろう風紀委員会の仕事を考えると、リュー達の苦労を思って申し訳なさで胃はギリギリする。その大半が、自分のせいだと考えると余計に頭も痛くなった。

 はたして例の批判意見書は、どれくらい山になっているのか。理事長も今の風紀委員会の現状を知っているのであれば、とっとと新しい風紀委員長を立てる方が、効率的だと思わなかったのだろうか?