「待て待て待てッ、本気か? 半悪魔だぞ? いくら一年と少しココでやれていたからって、あっさり信用するとか駄目だろ。ここは本来俺が通うような場所でもないし、他にもっと活かせる場所とか――」
「あなたには『もっと能力を活かせる場所に向かわせるためにも』、まずは学園を卒業してもらわなければならないのですよ」

 スミラギは、ぴしゃりと言ってのけた。

「暗躍して頂くよりも、前線で戦ってもらった方が、千人力なのは目に見えています。秘密結社に所属していた多くの研究員たちが、あなたに異常性がないという事を示すデータ結果と、保護を求めた意見書を提出し国王と『皇帝』が受理し、それを認めて直接指示を出されました。ですので人権も与えられ、身の安全についても既に保証されています」

 人権が認められるとは思っていなかったので、サードは目を丸くした。学園で行われた話し合いで、『全員一致で』風紀委員長として残る事になったという結果についても、まさかという驚きしかない。

 一眠りしていた間に色々と起こった事について、こうして一気に聞かされて、何がなんやらと頭がパンクしそうだ。