「俺、誰かの魔力を知らずもらい続けているって事だろ? 魔力って、なくなったりしないのか?」
「当然消費しますよ。普通の人間であれば数日ともちません。けれど安心なさい。生まれながらに魔力を無尽蔵に生産し続け、自分ではほとんど消費しないために垂れ流し状態という、まさにあなたにぴったりの人間が、この世界に一族分だけ存在していますから」

 脳裏を過ぎったのは、戦闘魔術師として優秀だというユーリスの存在だ。けれどサードは、それよりも序盤からずっと気になっていた点を尋ねる事にした。

「あの、さ……そもそも『主従』って事は、何かしら行動の制限とかあったりするわけ……?」
「魔法の繋がりですので、基本的に離れていても問題はないとされています。しかし、半悪魔体に魔力回路を繋げる、というのはこれまで前例がないため、しばらくは目の届く範囲内にいる事をおすすめします」

 そう説明したスミラギが、そこで思い出したかのようにこう言った。