「うーん、なんか一気に難しくなってきたな……。じゃあ、魔力が持てるような半悪魔体を作れば良かったんじゃないのか?」
「既にそれは不可能であると、一昔前に長い年月をかけて行われた実験で分かっています。半悪魔は、どうやったとしても魔力を持てないのです」

 スミラギが、話を先に進めてもいいか、というようにして僅かに片眉を引き上げて見せた。機嫌が低下し始めている気付いたサードは、条件反射でひとまず口を閉じる。

「つまり外部からでも、必要な分の魔力が悪魔細胞に行き渡れば、問題は解決するのではと私は考えました。『主従契約』は主人の魔力回路を獣人へ繋ぎ、もし暴れ出した場合、魔力適正がない獣人を黙らせるため、魔力を流してショック状態を起こさせるものです。それを逆手に取って応用し『常に解放状態の魔力回路を作って』、あなたに繋げる事にしたのですよ」

 こうしている今も、常に魔力が与え続けられているのだとか。

 もし、スミラギの推測があたっているとしたのなら、こうしている今も、自分の中の悪魔細胞は魔力を食い続けているという事になる。サードは気掛かりになって、遠慮がちな声で「あのさ」と言って質問してみた。