「強がりを言わんでもいいっ! こんなに若いのに、死ぬために頑張っていたのを思うと、悲劇すぎてまた泣けてくるわ……!」
「お前一体どうしちゃったの!? というか、マジで痛ぇからな!?」

 激しく抵抗しようとした矢先、トム・サリファンの巨体がふっと離れていった。

 サードは、途端に脱力感を覚えてベッドに沈んだ。今度は一体なんだ、と目を向けてみると、そこには眉一つ動かさず彼を羽交い締めしているスミラギの姿があった。服装は相変わらず白衣で、肩に保健教員の腕章を付けている。

「スミラギ? え、その腕章って保健室の……という事は、やっぱりここって学園なのか? つか、なんでココに発狂しかけのトム・サリファンがいんの?」
「相変わらず失礼な奴め! 発狂してないわいっ!」

 トム・サリファンが「お前は私をなんだと思っとるんだッ」と、悔しそうに言ってドンドン床を踏み付けた。

 彼を解放したスミラギが、その様子を冷ややかに見やった。眼鏡を指で押し上げながら、こちらへと目を戻してこう言った。