喉に力を入れるのが、少しだけ苦しい。けれど、どうにか声を絞り出して、サードは伝えた。
「……大丈夫。不思議と、それほどまでは、痛くない…………このまま、誰かの剣で、首、落としてくれないか」
「やはり予測よりも早く限界がきましたね。あなた達は、『生きているのだと実感がないほどに死期が早く進む』ようですから」
スミラギが、よく分からない独り言を口にした。
その時、ずぐん、と一際大きく何かが崩れる音が耳の奥で上がった。息が詰まるような圧迫感が込み上げた直後、サードは大きく咳込んで血を吐いていた。
ヒュー、ヒューと妙な音が聞こえる。
もしかして自分の呼気だろうか、と他人ごとにぼんやりと思った。
痛いはずの身体は、生理的な涙で視界を霞ませている。それでもサードは、先程腹を貫かれたような『痛い実感』は込み上げなくて、ちっとも生きている気がしなかった。それが、ひどく残念だった。
スミラギの後ろから、ユーリスとロイが顔を覗かせていたが、もうサードは表情までは視認出来なくなっていた。全員の中で一際小振りなエミルの頭を抱き寄せて、ソーマが何事か叫ぶような姿が見えた。
「……大丈夫。不思議と、それほどまでは、痛くない…………このまま、誰かの剣で、首、落としてくれないか」
「やはり予測よりも早く限界がきましたね。あなた達は、『生きているのだと実感がないほどに死期が早く進む』ようですから」
スミラギが、よく分からない独り言を口にした。
その時、ずぐん、と一際大きく何かが崩れる音が耳の奥で上がった。息が詰まるような圧迫感が込み上げた直後、サードは大きく咳込んで血を吐いていた。
ヒュー、ヒューと妙な音が聞こえる。
もしかして自分の呼気だろうか、と他人ごとにぼんやりと思った。
痛いはずの身体は、生理的な涙で視界を霞ませている。それでもサードは、先程腹を貫かれたような『痛い実感』は込み上げなくて、ちっとも生きている気がしなかった。それが、ひどく残念だった。
スミラギの後ろから、ユーリスとロイが顔を覗かせていたが、もうサードは表情までは視認出来なくなっていた。全員の中で一際小振りなエミルの頭を抱き寄せて、ソーマが何事か叫ぶような姿が見えた。