ギリギリと頭を締め付けられた。ひどい扱われようである。サードは「おいッ」と眠りを邪魔してきたロイを睨み付けた途端、黒く微笑む美貌の生徒会長を見てピキリと硬直した。その威圧感に怯んで、すぐに言葉が出てこなくなる。

「いいか。俺は、お前を諦めるつもりはないぞ。一年以上も前からずっと、お前を俺の部下にすると決めていたからな」
「は……?」
「だから、勝手に離れていくなんて事は、国が相手だろうと俺が許しはしない」

 許すも何も、俺はもう死ぬのに――

 サードは口を開きかけたが、頭をはたかれて言い返すタイミングを失った。この野郎、とこちらの顔を覗き込むロイを睨み上げると、彼の麗しいこめかみにクッキリと青筋が立つのが見えて「うっ」と声が詰まった。

「俺は優しいからな、今のお前が分からないアレやコレやを強制するつもりはない。だが、『退場』だけは認めん。――だから『風紀委員長』の座も、卒業するまでは他の誰でもない『お前のもの』だ」
「…………いや、だから俺、ソレも要らないんだけど……」

 サードは、諦め気味に言い返した。