「生徒会長。言っておくが、俺はそんなものに魅力を感じた事はねぇし、誰かに仕えたいとも思わねぇよ。そもそも、お前らと関わるなんて全力でお断りだ。次の風紀委員長は『ちゃんとした奴』が選ばれるだろうから、本物の方でも誘ってやればいいだろ。――俺は、ここで退場だ」

 ようやく言い切ってやる事が出来て、サードは気分が良くなった。はじめから言いたい事を言える立場であったとしたのなら、他の生徒たちやレオンからの風当たりも強くはなかっただろう。

 ずっと我慢してきたそれを、ここでようやく口に出来て良かったと思う。ロイの機嫌が、にっこりと笑んだ顔に反して急降下したような気もしたが、サードは構うものかと不敵に笑い返して見せた。

 離れた場所に座っていたユーリスが、「サード君……」と呟いて顔を押さえた。エミルが笑い、レオンが苦虫を潰したような表情で舌打ちする。

 サードは満足して、再び目を閉じようとした。

 直後、何故か額を鷲掴みにされた。