「それに、俺はもう『風紀委員長』じゃないよ」

 そういえばと思い出して、少しだけ乾いた笑みを浮かべてそう答えた。

 身体のガタが早く進んだ事を考えれば、肉体活性化の完全開放の持続時間が、予測されていたよりも短いのも有り得るだろう。この疲労感のような気だるさが、悪魔細胞の完全開放の反動が訪れる前触れであるとは察していた。

 後どれくらい、こうしていられるかは分からない。

 疲れてしまったのだ。ただただ、もう疲れた。ここに『サード・サリファン』として送られた全てが、ようやくもう終わったのだ。だから少しだけ、放っておいて欲しいと思った。

「俺はしばらくここで休んでいるから、お前らは先に行け。後は、外の連中とスミラギがどうにかするだろ」
「でも、サリファン先輩――」

 サードは、言いかけたソーマに横目を向けて「頼むよ」と彼の台詞を遮った。

「俺、結構働いただろ? 疲れちゃったからさ、少しだけ休ませて欲しいんだよ」
「それなら、お前は勝手に休んでいろ。俺達も勝手にする」