自分よりも背丈が低くなった悪魔を、背後から素早く拘束して羽交い絞めにした。その身体の正面をロイ達に向け、普通の人間であれば骨が砕けるほどの力で絞め上げる。

「見事だ」

 まるで超治癒再生を待つような悠長さで、悪魔が楽しげな顔をして笑う。種族として優位に立っているという自信がそうさせるのか、死への概念がないのか――。

 もしかしたら、後者が正解のような気もした。一番成功体に近いと言われた半悪魔体であるサードは、死ぬ事を恐れた経験がなかったからだ。

 後はお前らの役目だぞ、と、サードは素早く目配せした。

 ロイが両手で剣を構え、レオンとソーマがサポートに入るような陣形で、その左右から剣を構えて狙いを定めた。もしも悪魔が飛び出してしまった場合に備えて、エミルとユーリスが、後方で援護待機の構えに入った。

「これはこれは、意外な展開だ。面白いねぇ」

 そう傍観して呟く声を聞いて、サードは悪魔へ目を向けた。拘束しているその身体は、半分生きていないのではないだろうかと思ってしまうほど低温だ。