「え、その、それは一体どういう――」
「俺が今から悪魔を止める。悪魔の動きを完全に封じられた時には、合図を出すから、そう会長達にも伝えておいてくれ」
半悪魔体として、本能のままに戦い動けないというのなら、今の状況で一番効率のいい方法を考えて計画を遂行するまでだ。
何せ、自分には時間がない。
ロイ達の体力は、それよりも早くに底を尽きるだろう。
本来は自分の獲物だというのに、まるでサポート役割を負うのは少々癪ではあるが、こうなったら彼らには最後まで責任をもって付き合ってもらう事にしよう。
悪魔が放った剣圧で、ロイが吹き飛ばされた。ユーリスとエミルが、屋上の縁まで蹴り飛ばされたタイミングで、サードはコンクリートを砕く驚異的な瞬発力で、すかさず悪魔の懐に入っていた。
「おや、今度は君かい?」
ようこそ、というように笑う、背の高い悪魔を見上げた一瞬、サードは時が止まったように感じた。頭の中では、ただただずっと、どうすればロイ達に急所を向けた状態で、この悪魔を抑え込めるのかを考えていた。
何しろ、確実に仕留めてもらわないと、自分は働き損になってしまうだろうから。
カチリ、と思考の指針が振れたのを感じた。そうしたら悪魔が「そろそろ来てくれると思っていたんだよ」と、にっこりと笑って声を掛けてきた。
「君となら、人間の武器なんて使わずに済む。とても愉しいよ」
「――ご指名とは有り難いな。俺は武道派の風紀委員長だ、楽しく殺しあおうぜ、悪魔」
悪魔が残酷さの漂う笑顔を返し、サードも殺気立った不敵な笑みを浮かべて見せた。向かい合う全く同じ赤い目が、互いにざわりと鈍い光を帯びる。
さぁ、最後の戦いをしよう。
どちらかが生き残るなんて事は、有り得ない。
ここで悪魔も、半悪魔も死ぬのだ。サードは体内の血が、悪魔の死を求めて騒ぎ出すのを感じながら「殺し合いをしようか」と拳を構えた。
「俺が今から悪魔を止める。悪魔の動きを完全に封じられた時には、合図を出すから、そう会長達にも伝えておいてくれ」
半悪魔体として、本能のままに戦い動けないというのなら、今の状況で一番効率のいい方法を考えて計画を遂行するまでだ。
何せ、自分には時間がない。
ロイ達の体力は、それよりも早くに底を尽きるだろう。
本来は自分の獲物だというのに、まるでサポート役割を負うのは少々癪ではあるが、こうなったら彼らには最後まで責任をもって付き合ってもらう事にしよう。
悪魔が放った剣圧で、ロイが吹き飛ばされた。ユーリスとエミルが、屋上の縁まで蹴り飛ばされたタイミングで、サードはコンクリートを砕く驚異的な瞬発力で、すかさず悪魔の懐に入っていた。
「おや、今度は君かい?」
ようこそ、というように笑う、背の高い悪魔を見上げた一瞬、サードは時が止まったように感じた。頭の中では、ただただずっと、どうすればロイ達に急所を向けた状態で、この悪魔を抑え込めるのかを考えていた。
何しろ、確実に仕留めてもらわないと、自分は働き損になってしまうだろうから。
カチリ、と思考の指針が振れたのを感じた。そうしたら悪魔が「そろそろ来てくれると思っていたんだよ」と、にっこりと笑って声を掛けてきた。
「君となら、人間の武器なんて使わずに済む。とても愉しいよ」
「――ご指名とは有り難いな。俺は武道派の風紀委員長だ、楽しく殺しあおうぜ、悪魔」
悪魔が残酷さの漂う笑顔を返し、サードも殺気立った不敵な笑みを浮かべて見せた。向かい合う全く同じ赤い目が、互いにざわりと鈍い光を帯びる。
さぁ、最後の戦いをしよう。
どちらかが生き残るなんて事は、有り得ない。
ここで悪魔も、半悪魔も死ぬのだ。サードは体内の血が、悪魔の死を求めて騒ぎ出すのを感じながら「殺し合いをしようか」と拳を構えた。