その時、サードは、ふと思い立った。

 もし、こちらで悪魔の動きを封じる事が出来れば、大人しく引っ込んでいてくれない彼らの剣を利用して、この戦いをどうにか終わらせられるのではないだろうか?

「おい、副会長と書記」

 方法を思い付いたサードは、隣にいたレオンと、近くで剣を構え直していたソーマにすぐ声を掛けた。

「お前らの剣は、どんな武器よりも悪魔を確実に斬り裂けるんだろ?」
「――そうですが。何か?」

 改めるようにして確認されたレオンが、僅かに警戒を浮かべた表情でそう答えた。サードは、構わず次の質問をした。

「あいつの動きを『どれくらい止められれば』、お前らは高確率で悪魔の急所を狙える?」
「急所、ですか……あの、サリファン先輩。こちらの陣形が、もし一番良い状態であるとすれば三秒はかからないと思いますよ」

 ソーマがためらいがちに答え、「でも」と続けた。

「状況によっては、二十秒は必要かもしれないです」
「分かった、『それくらいならいける』な」