悪魔が休むような隙を与えない、多勢による攻撃だ。ロイを中心とした聖騎士の子孫たちのコンビネーションは絶妙で、時にはユーリスがフォローするように、ナイフと槍先で悪魔の隙を作ろうと画策してくれる。

 だが、彼らと共に戦った事のないサードは、非常にやりにくさを覚えていた。ロイ達のコンビネーションと全く息が合わず、苛立ちが積もっていた。

「何故、あの位置から飛び出してくるのですか? 少し防ぎ方を誤っていたら、悪魔の蹴りで肋骨を負傷するところでしたよ」
「おい、副会長。俺はお前が急に出てくるから、代わりに悪魔に吹き飛ばされて、三階から一階まで貫通する威力で叩きつけられたんだけど?」
「私には到底真似出来ませんね。通常であれば死んでいます。普通なら動けません」
「それは否定しねぇ」

 ロイ達が、悪魔を追って天井に空いた穴から屋上へ飛び出した後。瓦礫を足場に跳躍して三階へと戻ってきたサードは、瓦礫を払いつつそう答えてレオンの状態を確認した。