もし悪魔に殺戮衝動のスイッチが入ったら、と、サードは考えた。
そんな事になったら、悪魔はロイが剣を構えるまで待ったりはしないだろう。何より長期戦に持ち込まれれば、体力が潰された順番に『やられてしまう』可能性がぐっと上がる。
これは、一人も殺させないための戦いだ。
今一度、自分がここにいる存在意義と目的、使命を思い返したサードは「おい、悪魔」と声を掛けた。
「こっちは『遊んでくれる犬』もいなくなって、めちゃくちゃ暇してんだよ――だからさ、そっちの戦いに俺も混ぜてくれよ」
敵は出来るだけ早く殺せという教訓は、訓練で身に染みていた。相手が半悪魔であった時、その残酷性が戦うごとに増して、戦闘能力も跳ね上がるのはサード自身も経験して知っている。
恐らくは、この悪魔も半悪魔と同じくして、『血に酔ったら確実に殺しにかかってくる』だろう、と。
守りながら戦うというリスクはある。けれど生身の人間であるロイ達の死亡率を上げないためには、彼らを殺させないよう守りながら、出来るだけ自分が悪魔を相手にして短期戦で終わらせる、という方法に賭けるしかない。
そんな事になったら、悪魔はロイが剣を構えるまで待ったりはしないだろう。何より長期戦に持ち込まれれば、体力が潰された順番に『やられてしまう』可能性がぐっと上がる。
これは、一人も殺させないための戦いだ。
今一度、自分がここにいる存在意義と目的、使命を思い返したサードは「おい、悪魔」と声を掛けた。
「こっちは『遊んでくれる犬』もいなくなって、めちゃくちゃ暇してんだよ――だからさ、そっちの戦いに俺も混ぜてくれよ」
敵は出来るだけ早く殺せという教訓は、訓練で身に染みていた。相手が半悪魔であった時、その残酷性が戦うごとに増して、戦闘能力も跳ね上がるのはサード自身も経験して知っている。
恐らくは、この悪魔も半悪魔と同じくして、『血に酔ったら確実に殺しにかかってくる』だろう、と。
守りながら戦うというリスクはある。けれど生身の人間であるロイ達の死亡率を上げないためには、彼らを殺させないよう守りながら、出来るだけ自分が悪魔を相手にして短期戦で終わらせる、という方法に賭けるしかない。