なんだか、それはかなり迷惑を被っている状況なのでは、という気がしてきた。爆弾トラップ区域だとか、転がって来たという『三秒爆弾』という言葉が既に物騒だ。

 それを涼しげな表情で語ったレオンを見て、サードはこう言わずにいられなかった。

「会長補佐は何してんだ、邪魔か? 邪魔してんのか? 迷惑な戦い方をさせないように、お前らの方で前もって注意くらいしておけよ!」
「エミルは、爆弾をメインに使用している訳ではないのですよ。あれは、ただの趣味です。そして、前触れもなく大剣を振り回しますので、へたをすると巻き添えをくらいますから近づきたくありません」
「お前、本当はあいつのこと嫌いなのか?」

 気のせいか、他の生徒会メンバーを語る時と、エミルを語る時のレオンの言い方には温度差を感じた。しかし同時に、その口振りからは、生徒会メンバーの中でも、エミルは『会長補佐を務めるくらいに強い』のだという事も伝わってきた。

 爆音が続けて上がり、周囲を覆う土埃が増えた。それを一瞥したレオンが、腕を組んでこう言った。