「やっぱ、あれだけのダメージじゃ効かねぇか」
「改めて考えると、凄い光景ですよね……サリファン先輩も馬鹿力では全然負けてないというか……」
「話してる暇はねぇぞ、そろそろ来る。――次はやれそうか?」
「はい。剣の魔力は解放しましたので、次は仕留められます」
ソーマはすぐに答えて、右目の視界を邪魔している血を、袖でぐいっと拭った。そのまま立ち上がるのを見届けたサードは、「先に行くぜ」と声を掛けて走り出した。
先に起き上がった『死食い犬』が、距離を縮めるこちらに気付いて憎悪の目で唸ってきた。ずいぶん怨みを買ったらしい。魔獣が足に力を入れるのを見て取り、サードはニヤリとする。
「こっちにこい!」
挑発するように呼んで走る方向を変えると、途端に魔獣が咆哮して、こちら目掛けて一気に駆け出してきた。凶器のような大きな爪で地面を抉りながら、開いていた距離を一気に詰めてくる。
ソーマのいる場所から少し引き離したところで、サードは両足で急ブレーキをかけた。向かってくる『死食い犬』を迎え撃つべく、くるりと振り返って身構えた。
「よっしゃ! さぁ来い、デカ犬!」
「改めて考えると、凄い光景ですよね……サリファン先輩も馬鹿力では全然負けてないというか……」
「話してる暇はねぇぞ、そろそろ来る。――次はやれそうか?」
「はい。剣の魔力は解放しましたので、次は仕留められます」
ソーマはすぐに答えて、右目の視界を邪魔している血を、袖でぐいっと拭った。そのまま立ち上がるのを見届けたサードは、「先に行くぜ」と声を掛けて走り出した。
先に起き上がった『死食い犬』が、距離を縮めるこちらに気付いて憎悪の目で唸ってきた。ずいぶん怨みを買ったらしい。魔獣が足に力を入れるのを見て取り、サードはニヤリとする。
「こっちにこい!」
挑発するように呼んで走る方向を変えると、途端に魔獣が咆哮して、こちら目掛けて一気に駆け出してきた。凶器のような大きな爪で地面を抉りながら、開いていた距離を一気に詰めてくる。
ソーマのいる場所から少し引き離したところで、サードは両足で急ブレーキをかけた。向かってくる『死食い犬』を迎え撃つべく、くるりと振り返って身構えた。
「よっしゃ! さぁ来い、デカ犬!」