後半、独り言のように忌々しげに言ったレオンの横顔を見て、サードは「なんか八当たりっぽいな」と思ったまま呟いた。
その時、悪魔が面白そうに首を右へ、左へと傾けた。
「どれが『彼』だったかなぁ」
そう歌うように口にすると、魔獣の一頭が短く吠えた。まるで悪魔は言葉でも分かるかのように「うんうん、訊いた方が早いね」と相槌を打つと、ロックオンするようにサード達を見据えた。
「さて。どの餌が『皇帝』だい?」
悪魔が嗤い、真紅の目を細めた。
ロイが目配せし、小さな声で「獣の方は頼んだぞ」と囁いた。ユーリス、エミル、ソーマ、レオンが無言で頷き返すそばで、サードは念を押すように「雑魚の方を片付けたら、俺も参戦するからな」と釘を刺した。
すうっと息を吸い込んだロイが、背筋を伸ばして尊大な態度で悪魔を見上げた。
「俺が『皇帝』だ。この首飾りまで忘れた訳じゃないだろう?」
不敵な笑みを浮かべてそう言いながら、ポケットにしまっていた『皇帝の首飾り』を持ち上げて見せる。
すると、悪魔の赤い瞳が鈍い光りを帯びた。目を見開くと、執着心を覗かせるようにぐぅっとロイだけを真っ直ぐ見下ろす。
「そう、そうだった。偉そうな喋り方――うん、お前が『皇帝』で間違いない」
その時、悪魔が面白そうに首を右へ、左へと傾けた。
「どれが『彼』だったかなぁ」
そう歌うように口にすると、魔獣の一頭が短く吠えた。まるで悪魔は言葉でも分かるかのように「うんうん、訊いた方が早いね」と相槌を打つと、ロックオンするようにサード達を見据えた。
「さて。どの餌が『皇帝』だい?」
悪魔が嗤い、真紅の目を細めた。
ロイが目配せし、小さな声で「獣の方は頼んだぞ」と囁いた。ユーリス、エミル、ソーマ、レオンが無言で頷き返すそばで、サードは念を押すように「雑魚の方を片付けたら、俺も参戦するからな」と釘を刺した。
すうっと息を吸い込んだロイが、背筋を伸ばして尊大な態度で悪魔を見上げた。
「俺が『皇帝』だ。この首飾りまで忘れた訳じゃないだろう?」
不敵な笑みを浮かべてそう言いながら、ポケットにしまっていた『皇帝の首飾り』を持ち上げて見せる。
すると、悪魔の赤い瞳が鈍い光りを帯びた。目を見開くと、執着心を覗かせるようにぐぅっとロイだけを真っ直ぐ見下ろす。
「そう、そうだった。偉そうな喋り方――うん、お前が『皇帝』で間違いない」