「いつでも百パーセントの解放(せんとう)が出来るよう準備は整ってますので、安心してください。改良された『悪魔の血の丸薬』で、発作の時間も短縮されましたから」
「もつのか」
「『月食』まで、そう月日はないと聞いていますから余裕でしょう。それから、この一年でご存知かとは思いますが、俺は誰一人として人間を襲っていない。この身体は悪魔の血しか求めないように出来てますから、余計な心配はいらないですよ」
理事長が抱えているであろう警戒について、いつものようにさりげなく再度言い聞かせた。役目を終えるまでは寿命はもつと言われているので、そちらについてサード自身は不安を抱いてはいない。
悪魔が現れるまで、ギリギリでも生きていればいいのだ。半悪魔としてのリミッターを外して、身体の中に半分流れている悪魔細胞を全て『解放』すれば、燃え尽きるまで、百パーセントの力で闘い続けられるのだから。
「話は以上ですよね? なら、俺はこれで失礼します」
そう続けて立ち上がると、理事長の後に控えていた衛兵が反射的に、僅かに剣の柄に触れるのが見えてサードは動きを止めた。
「もつのか」
「『月食』まで、そう月日はないと聞いていますから余裕でしょう。それから、この一年でご存知かとは思いますが、俺は誰一人として人間を襲っていない。この身体は悪魔の血しか求めないように出来てますから、余計な心配はいらないですよ」
理事長が抱えているであろう警戒について、いつものようにさりげなく再度言い聞かせた。役目を終えるまでは寿命はもつと言われているので、そちらについてサード自身は不安を抱いてはいない。
悪魔が現れるまで、ギリギリでも生きていればいいのだ。半悪魔としてのリミッターを外して、身体の中に半分流れている悪魔細胞を全て『解放』すれば、燃え尽きるまで、百パーセントの力で闘い続けられるのだから。
「話は以上ですよね? なら、俺はこれで失礼します」
そう続けて立ち上がると、理事長の後に控えていた衛兵が反射的に、僅かに剣の柄に触れるのが見えてサードは動きを止めた。