あまりにも荒れた運動場は、つい先程までと違い過ぎて衝撃的な光景に仕上がっていた。つい、サードは一瞬、言葉が出てこないままポカンと口をあけてしまう。
「これは完全にエミルの仕業ですね。全く、好き放題火薬の無駄遣いを――」
「あッ、レオンにユーリス、それにソーマとサリファン君までいる! やっほ~!」
苦々しい表情でそう呟いたレオンの台詞を遮るように、声変りもしていない可愛らしい声が上がった。
二十数体分はあろう魔獣の死骸が飛び散っている運動場の中央に、太陽色の髪を硝煙にふわふわとさせたエミルがいた。彼は少女のような満開の笑顔を咲かせて、こちらに向かって大きく手を振ってくる。
そんなエミルは、背中に可愛らしい人形ではなく、物々しい巨大なロケットランチャーを背負っていた。そして右手には、彼の華奢な身長よりも大きく長い大剣があって、その剣先は地面を抉っていた。
「……物騒だ、物騒でしかない。ものすごく面倒な予感がする」
頼むから、全員保健室に閉じこもっていてくれないかな。そう思ったサードは、顔に手を当てて「くッ、考えるだけで頭が痛い」と項垂れた。
「これは完全にエミルの仕業ですね。全く、好き放題火薬の無駄遣いを――」
「あッ、レオンにユーリス、それにソーマとサリファン君までいる! やっほ~!」
苦々しい表情でそう呟いたレオンの台詞を遮るように、声変りもしていない可愛らしい声が上がった。
二十数体分はあろう魔獣の死骸が飛び散っている運動場の中央に、太陽色の髪を硝煙にふわふわとさせたエミルがいた。彼は少女のような満開の笑顔を咲かせて、こちらに向かって大きく手を振ってくる。
そんなエミルは、背中に可愛らしい人形ではなく、物々しい巨大なロケットランチャーを背負っていた。そして右手には、彼の華奢な身長よりも大きく長い大剣があって、その剣先は地面を抉っていた。
「……物騒だ、物騒でしかない。ものすごく面倒な予感がする」
頼むから、全員保健室に閉じこもっていてくれないかな。そう思ったサードは、顔に手を当てて「くッ、考えるだけで頭が痛い」と項垂れた。