「もしやとは思っていたんだけど、スミラギ先生って、結構なスパルタなんだねぇ」
「結構じゃない、めちゃくちゃスパルタなんだ。俺は半年間で、学園の最高レベルまでの勉強を叩き込まれたんだぞ」
「えッ、それってすごいですよ」

 走り続けているせいで、若干息を切らせ始めたソーマが、ガバリとサードの横顔に目を向ける。

「英才教育を三、四歳から始めても入学出来ない人もいるのに、たった半年間ですかっ?」
「これって『すごい』になるのか? スミラギが言うには、記憶力は『まぁまぁいい』らしいけど、痛覚以外の神経はいじられてないはずだし、実際どうなんだろうな」

 サードは、きょとんとして首を捻ってしまう。『すごい』の基準については、平均的な値を知らないのでよく分からない。

 そうしたらレオンが、「ふん」と鼻を鳴らしてきた。

「頭が空っぽだと、詰め込みやすいといいますからね」
「なるほど、そういう『常識』もあるのか」
「そこで納得しちゃだめですよ、サリファン先輩……」