サードは、別の方向へ走り出そうと身構えた『死食い犬』に両足をめり込ませた。チラリとソーマの灰色にも見える頭を見やり「大丈夫」と普段の口調で答えつつ、あの仔猫は人間だったんだよなぁ……とまた残念に思った。
しばらくもしないうちに、見える範囲内の魔獣は片付いた。残っている獣はいないかと辺りを見渡しながら、サードは爪の間に挟まった肉片を払い落とした。
ソーマたちが、武器についた赤黒い血を拭う。そのそばで、レオンが非難するように、全員赤黒い返り血を浴びたサードを上から下まで眺めやった。
「戦い方が雑過ぎます。もっと丁寧に出来ないのですか。貴方はいちいち荒々しいのですよ」
「何言ってんだ。お前も胸のあたりの返り血とか、すごいだろうが」
サードが負けじと指摘すると、頬の切り傷の血を袖口で拭ったソーマが「いやいやいや」と、話しに割り込んできた。
「サリファン先輩の返り血の量が、尋常じゃないレベルで驚くんですけど……。怪我とかありません?」
しばらくもしないうちに、見える範囲内の魔獣は片付いた。残っている獣はいないかと辺りを見渡しながら、サードは爪の間に挟まった肉片を払い落とした。
ソーマたちが、武器についた赤黒い血を拭う。そのそばで、レオンが非難するように、全員赤黒い返り血を浴びたサードを上から下まで眺めやった。
「戦い方が雑過ぎます。もっと丁寧に出来ないのですか。貴方はいちいち荒々しいのですよ」
「何言ってんだ。お前も胸のあたりの返り血とか、すごいだろうが」
サードが負けじと指摘すると、頬の切り傷の血を袖口で拭ったソーマが「いやいやいや」と、話しに割り込んできた。
「サリファン先輩の返り血の量が、尋常じゃないレベルで驚くんですけど……。怪我とかありません?」