「はぁ。なるほど」

 向かうのソファで、間の抜けた声で相槌を打つサードは、到着した際に手渡された日程表を見下ろしていた。そこには、数十分刻みでびっしりと予定が書かれている。

 こうして事前に作成された予定表に関しては、持ち出すことが不可であるため、今のうちに頭に叩き込んでおく必要があった。正式に採用されるものは、これからの会議で生徒会書記がまとめたものが記録として残される。

「一ついいですか? あの…………これ、俺が抜け出すタイミングが見当たらないんですけど?」

 風紀委員会の人数が減少したせいか、昨年のように検診時刻について記述がない日程表にサードは困惑した。一体どのように動けばいいのか、明確な指示がないのは一番困る。

「風紀委員長という特別な立場も、生徒会と同じ扱いであると生徒たちは認識してくれている。お前の様子を見て、向こうから合図があるだろう」
「はぁ、そうなんですか。……一般の生徒には生徒会と同じように受けると思わせて、生徒会の人間にはタイミングを見計らって一般の生徒のところで受けている、と思わせる感じでいいんですかね?」