悪魔と戦うのは『次期皇帝』と、彼に仕える『聖騎士』の末裔たちである。

 聖騎士は、三大名家の聖剣士の後継者と、一つの戦闘魔術師の名家の後継者の四人で構成されている。百年ごとに先祖返りの如く優秀な後継者が誕生し、いつの時代も悪魔と戦う『次期皇帝』の元に集まるのだ。

「うーんとね、ショックを受けているところ悪いんだけど、もう一度言うよ、サード君。変身魔法は戦闘系に不向きとされているけど、俺は優秀だから、変身系も幻術も得意なんだよね。以前ソーマ君に猫になる魔法をかけたら、サード君と遭遇したみたいでさ。話を聞いたら面白そうだったから、俺も仔猫になってついて行ったんだけど、覚えてる? 人懐っこい金色の仔猫がいたでしょ?」

 優秀な戦闘魔術師の説明を聞きながら、サードは知らされた二つの事実に現実逃避したくなっていた。ただただ、呆然としている。

 強固結界で学園が完全封鎖されている今の状況で、彼らが学園敷地内にいるというのは大きな誤算である。彼らを殺させないための計画という目的の一つが、そのせいでかなり危ういことになっているのだ。