どうしてユーリスが動物の言葉を理解しているのか、という疑問については、この際どうでもいい。出来ればこんなに可愛い珍妙生物については、可愛いままの小動物であって欲しいし、そちらの可能性は最大限考えたくなかった。
けれど一匹目の鷹が、実はユーリスが魔法で変身した姿だと知らされた今、強固結界が発動される直前に入り込んで来二匹の鷹の存在についても、もしかしたらユーリスと同様に人間なのかもしれない、という最悪な可能性が浮かぶ。
そして同時に、目の前の小動物に関しても、それがあてはまるのではないかという超嫌な予感が脳裏をよぎっていった。
ユーリスは、まるでソーマも学園内にいるような口振りだった。「聖騎士として駆け付けた」と言っていたけれど、もしや学園内に『月食の悪魔』と対峙すべきメンバーが全員揃っていたりするんじゃないだろうな?
その場合、こちらの計画の目的を覆しかねない非常事態である。頭が痛い。やっぱり生徒会(こいつら)嫌過ぎる。
出来れば、そちら可能性については全否定してしまいたかった。
もう最悪の状況としか言えないし、テメェらなんてことしてくれちゃってんだよ、と頭の中にぐるぐる文句が飛び交いだす。しかし現実逃避する暇もなく、ユーリスが口の中で小さな呪文を唱え始めた。
その途端、小動物が淡い光に包まれた。
それが瞬く間に人の形となったのを見たサードは、言葉を失いそうになった。まさか、え、嘘だろ、よりによってこいつかよ、と頭の中で困惑が止まらない。
「――馬鹿面を晒してこちらを見ないでもらえませんか? 余計吐き気がします」
「…………お前、副会長?」
可愛らしい小動物がいたはずの場所に現れたのは、生徒会の副会長レオンだった。奴は銀縁眼鏡を神経質に掛け直しながら、先程の珍妙動物と全く同じ色のアイス・ブルーの瞳で、サードをジロリと睨みつけてきた。
けれど一匹目の鷹が、実はユーリスが魔法で変身した姿だと知らされた今、強固結界が発動される直前に入り込んで来二匹の鷹の存在についても、もしかしたらユーリスと同様に人間なのかもしれない、という最悪な可能性が浮かぶ。
そして同時に、目の前の小動物に関しても、それがあてはまるのではないかという超嫌な予感が脳裏をよぎっていった。
ユーリスは、まるでソーマも学園内にいるような口振りだった。「聖騎士として駆け付けた」と言っていたけれど、もしや学園内に『月食の悪魔』と対峙すべきメンバーが全員揃っていたりするんじゃないだろうな?
その場合、こちらの計画の目的を覆しかねない非常事態である。頭が痛い。やっぱり生徒会(こいつら)嫌過ぎる。
出来れば、そちら可能性については全否定してしまいたかった。
もう最悪の状況としか言えないし、テメェらなんてことしてくれちゃってんだよ、と頭の中にぐるぐる文句が飛び交いだす。しかし現実逃避する暇もなく、ユーリスが口の中で小さな呪文を唱え始めた。
その途端、小動物が淡い光に包まれた。
それが瞬く間に人の形となったのを見たサードは、言葉を失いそうになった。まさか、え、嘘だろ、よりによってこいつかよ、と頭の中で困惑が止まらない。
「――馬鹿面を晒してこちらを見ないでもらえませんか? 余計吐き気がします」
「…………お前、副会長?」
可愛らしい小動物がいたはずの場所に現れたのは、生徒会の副会長レオンだった。奴は銀縁眼鏡を神経質に掛け直しながら、先程の珍妙動物と全く同じ色のアイス・ブルーの瞳で、サードをジロリと睨みつけてきた。