バチン、と高圧電流の檻に触れた時と似たような衝撃を覚え、反射的に手を引っ込めた。

「うわわわわ、ごめんサード君ッ。つい防壁魔法を放っちゃったよ!」

 慌てる声と同時に、光が収まった。

 目を開いたサードは、そこに立つ人物を見て露骨に顔を顰めた。

「なんでお前がここにいるんだよ、会計?」
「そこでそれを訊く!? というか手は無事なの!?」
「別に問題ねぇけど。そんなことより、ついさっきまで鷹がいなかったか?」

 辺りを見回すと、ユーリスが「ええぇぇぇぇええええええええ!?」と叫んで、人間である僕よりも鳥の方が大事なのかい、とショックを受けたように言う。

「そんなことよりって――うわっ、本当に無傷だ、普通なら焼け爛れるのにすごい強靭――……っじゃなくて、あの鷹は俺が魔法で変身してた姿なの! うぅ、君に近づくのは危ないと知っていたのに、うっかり本戦の前に死んじゃうところだった……俺は『聖騎士』の一人として駆け付けた次第なんだよ」