ちょうど慣れない環境に苛々しているところに、風紀委員長反対派が武器を持って現れた時には、鬱憤が爆発して考えもなしに娯楽室のビリヤード台を持ち上げてしまい、集まった生徒たちを一気に戦々恐々に陥れたこともあった。
そのせいで『元戦闘奴隷は肉体強化がされている』という噂が広がり、恐怖の風紀委員長という悪名が一気に浸透してしまったのだ。
「――うん、思い返せば、今とそんなに変わらないな」
入学から三ヶ月も過ぎれば、力加減も覚えて、うっかり破壊してしまうこともなくなった。けれど、切れたら何をしでかかすか分からない元戦闘奴隷、という噂はなくならず、まるで気性の荒い問題児みたいな扱われようについては不満に思っていたものである。
でも自分は、上から指示がなかったから、その批判についても引き続き役目を演じるために何も対策も対応もしなかった。
だから彼らの中の『サード・サリファン』は、入学当初から何も変わっていない。
乱暴者で、身の程を弁(わきま)えない元戦闘用奴隷で、あまり名も知られていない子爵家の養子で風紀のトップに君臨し、力技で騒ぎを鎮圧する凶暴な風紀委員長。
そのせいで『元戦闘奴隷は肉体強化がされている』という噂が広がり、恐怖の風紀委員長という悪名が一気に浸透してしまったのだ。
「――うん、思い返せば、今とそんなに変わらないな」
入学から三ヶ月も過ぎれば、力加減も覚えて、うっかり破壊してしまうこともなくなった。けれど、切れたら何をしでかかすか分からない元戦闘奴隷、という噂はなくならず、まるで気性の荒い問題児みたいな扱われようについては不満に思っていたものである。
でも自分は、上から指示がなかったから、その批判についても引き続き役目を演じるために何も対策も対応もしなかった。
だから彼らの中の『サード・サリファン』は、入学当初から何も変わっていない。
乱暴者で、身の程を弁(わきま)えない元戦闘用奴隷で、あまり名も知られていない子爵家の養子で風紀のトップに君臨し、力技で騒ぎを鎮圧する凶暴な風紀委員長。