「…………うわぁ、マジかよ……」

 風紀委員長が学校を破壊してどうする。これ見付かったら怒られ――あ。いや、もう俺は『風紀委員長』じゃないから、アレなんだが……。

 そもそも、ここはこれから戦場になる。破壊され尽くされることを前提に、修復出来る魔術師班も用意されているのだ。

 こんなにも人間離れした身体であったのだと、改めて実感してなんだか少しだけ虚しくなった。結局のところ自分は、『半分悪魔という生物兵器で、道具であって人間ではない』。

 一年と数ヵ月、人間としてやれていたと思う方がおかしいのだろう。

「ん? でも、あの頃からあまりは変わってなくね?」

 ふと、入学当初も似たようなものであったと、これまでの学園生活の記憶を辿って遅れて思い出した。入学したばかりだった頃は、力加減を誤って物を破壊してしまうことが多々あった。

 勢い余って飛び込んだ先の扉を壊し、壁に拳を打ち込んだ拍子にコンクリートにひびを入れて報告の際に理事長に睨まれた。逃げる違反生徒を追い駆けた際には、頭突き一つで並んでいたロッカーを凪ぎ倒したこともある。