なんか、ちょっと違和感を覚える顔、というか――
小さな疑問を覚えたサードは、不意に視線を感じて目を戻した。騎士の背に守られていた理事長が、こちらと目が合うにり僅かに目を細め、小さく唇を開閉してきた。
『時間が迫っている、今すぐ奪取しろ』
指示を受けたサードは、「了解」と答えるように頷き返して見せると、そばにいる騎士に『そろそろ動きます』と視線と手の仕草で伝えた。
騎士が、隠れて待機しているサードを横目に確認した。理事長へと目を戻し、了承を取るように小さく頷くと、騎士たちの方へ顔を向けて手を上げた。
「全員、ただちにロイ様とユーリス様を取り抑え、正門の外に連れ出せ!」
響き渡った指令に、騎士たちが迅速に動き出した。暴れようとしたロイを複数の騎士が素早く取り抑え、ギョッとするユーリスの腕を背後から拘束して正門の外に運び出し、その後ろを理事長が続く。
見守っていた生徒たちが、理事長と騎士たちの横暴な態度に批判の声を上げ「生徒会長と会計様をお助けしろ」と騒ぎ始めた。しかし、近くにいた魔術師が魔術紋の施された槍を構えて牽制すると、短い悲鳴を上げて距離を置いた。
小さな疑問を覚えたサードは、不意に視線を感じて目を戻した。騎士の背に守られていた理事長が、こちらと目が合うにり僅かに目を細め、小さく唇を開閉してきた。
『時間が迫っている、今すぐ奪取しろ』
指示を受けたサードは、「了解」と答えるように頷き返して見せると、そばにいる騎士に『そろそろ動きます』と視線と手の仕草で伝えた。
騎士が、隠れて待機しているサードを横目に確認した。理事長へと目を戻し、了承を取るように小さく頷くと、騎士たちの方へ顔を向けて手を上げた。
「全員、ただちにロイ様とユーリス様を取り抑え、正門の外に連れ出せ!」
響き渡った指令に、騎士たちが迅速に動き出した。暴れようとしたロイを複数の騎士が素早く取り抑え、ギョッとするユーリスの腕を背後から拘束して正門の外に運び出し、その後ろを理事長が続く。
見守っていた生徒たちが、理事長と騎士たちの横暴な態度に批判の声を上げ「生徒会長と会計様をお助けしろ」と騒ぎ始めた。しかし、近くにいた魔術師が魔術紋の施された槍を構えて牽制すると、短い悲鳴を上げて距離を置いた。