「これは国王と『皇帝』の命令だ。『代わりの手駒』が用意された今、お前たちが戦う必要はなくなった。お前たちは安全なところにいなさい、『皇帝の首飾り』はこちらで預かる」
「――嫌だ、と言ったら?」
「お前に拒否権はない。お前が『次代皇帝』とはいえ、この学園では私が『キング』だということを忘れるな。ここでは、私の指示に従ってもらう」
理事長と生徒会長の不穏なやりとりを見て、学園の敷地外に溢れていた生徒たちが騒ぎ始めた。一体どういうことだと疑問の声が上がるが、正門の内側で睨みあう当事者は、双方とも微動だにしない。
見兼ねたユーリスが、「ちょっと待ってくださいよ」と言って、ロイを庇うように理事長の前に割り込んだ。
「悪魔と戦うのは、『次代皇帝』と『聖騎士の子孫たち』の役目のはずでしょう? 封印魔法も、悪魔を破壊するための聖剣も、血によって受け継がれるものです。何者だろうが代わりにはなれないし、異次元の存在である悪魔に触れられるのは、悪魔と戦うことを『宣言契約』した者だけのはずですが?」
「――嫌だ、と言ったら?」
「お前に拒否権はない。お前が『次代皇帝』とはいえ、この学園では私が『キング』だということを忘れるな。ここでは、私の指示に従ってもらう」
理事長と生徒会長の不穏なやりとりを見て、学園の敷地外に溢れていた生徒たちが騒ぎ始めた。一体どういうことだと疑問の声が上がるが、正門の内側で睨みあう当事者は、双方とも微動だにしない。
見兼ねたユーリスが、「ちょっと待ってくださいよ」と言って、ロイを庇うように理事長の前に割り込んだ。
「悪魔と戦うのは、『次代皇帝』と『聖騎士の子孫たち』の役目のはずでしょう? 封印魔法も、悪魔を破壊するための聖剣も、血によって受け継がれるものです。何者だろうが代わりにはなれないし、異次元の存在である悪魔に触れられるのは、悪魔と戦うことを『宣言契約』した者だけのはずですが?」