最終的に生徒の安全を確認するのは、各学年にいる責任指導員である。風紀委員長であるサードは、出口へと向かいながら避難経路の一つである職員室で状況を確認し、何人かの教員と合流しつつ避難する――という流れが全教員と生徒の中で定着していた。
勿論、今日サードがそれを実行することはない。
何故なら、これから行われる非常訓練が発動次第、この学園の生徒としてあった『サード・サリファン』ではなくなる。『半悪魔体のサード』としての行動を開始するからだ。
「訓練開始は、四時間目の授業の、十一時四十分頃だと伺っております」
「分かった。警告音が鳴ったら俺もいつも通りの動くから、あとで外で会おう」
「はい。それでは失礼します」
三人は、風紀部員の挨拶形式である軍人の敬礼をとった。今まで面倒だと思って謙遜していたサードは、何故か神妙な気持ちに駆られ、椅子に腰かけたまま伸ばした手を、自然と額の横にあてて応えていた。
勿論、今日サードがそれを実行することはない。
何故なら、これから行われる非常訓練が発動次第、この学園の生徒としてあった『サード・サリファン』ではなくなる。『半悪魔体のサード』としての行動を開始するからだ。
「訓練開始は、四時間目の授業の、十一時四十分頃だと伺っております」
「分かった。警告音が鳴ったら俺もいつも通りの動くから、あとで外で会おう」
「はい。それでは失礼します」
三人は、風紀部員の挨拶形式である軍人の敬礼をとった。今まで面倒だと思って謙遜していたサードは、何故か神妙な気持ちに駆られ、椅子に腰かけたまま伸ばした手を、自然と額の横にあてて応えていた。