研究者たちが求めた半悪魔体は、壊れない肉体と魔力を持った人間製の悪魔である。しかし、半悪魔体は僅かな魔力も持たず、十四歳までは生きられないほどに短命だった。

 すると、スミラギが首を小さく左右に振って、こう言った。

「精神検査の結果は、ほとんどがアウトか、良くてグレーゾーンでした。精神分析は、特殊防衛部隊が直々に行っていましたから、その結果は確かです。過去七十年の間に、実験体の精神異常の暴走によって四つの施設が潰され、何十人もの研究者や関係者が死んだ記録もあります」
「精神なんとかっていうのが、俺にはよく分からないんだが…」
「分からなくて結構です。あなたは半悪魔でありながら、獣人のように扱いにくい点も見受けられない、ということだけ理解してくれれば、今はそれでいいと思います」
「だから獣人――えぇと半魔獣? の特性とかも、あまり分からないというか」

 サードがぼやくと、無駄話を遮るようにスミラギが言葉を続けた。