生まれる前に、母殺しをしているのも当然で。だから、より嫌われもするのだろう。お前らは人間ではない。我らが憎き『悪魔』の血を引く兵器である、と始まりから終わりまで言い聞かせてくる『偉い研究者』だっていた。


――お前たちは、『生まれ落ちた時から罪人』である。ここにいる全員が、母親殺しの子だ。


 何度もそう教えられて育った事を思い出しながら、サードは首を傾げてしまう。理事長が、結局のところ何を話したいのか、どうしてこちらをじっと見ているのか分からない。

「あの、なんでしょうか?」
「……私は半悪魔体の生物兵器を作るための、一連の流れと資料は全て見せてもらった。だから、お前たちが始めにさせられることが何かも知っている。――お前も自分の母親を見たのか?」
「はい。俺も『母親』だという遺体は見せられましたよ。名前はリーシャ、レベル三の研究施設にいた研究者の娘さんだったみたいです。『病気で短命だったから、研究のために悪魔を怨み憎みながら身籠って死んだ。だから、役に立たなければならない』と、俺はそう言われました」