たとえ推薦が上がったとしても、事情を知る上の人間がどうにかしてくれるだろう。
昨日の件ではなかったらしいと安堵したサードは、報告するような内容でもない話を理事長がするのは珍しいなと、小さな違和感を覚えつつそう思った。
「それで、お前はどう思う?」
「『どう』とは?」
「聖軍事機関のことだ」
そんなことを問われても、特に感想は浮かばない。とはいえ、意味のない質問はしない人であるので、サードはどうにか考えて言葉を捻り出した。
「えぇと、攻撃は最大の防御という言葉通り、国にとって聖軍事機関は最大の攻撃の要ですよね? 軍事と国政のトップが違うからこそ、双方の意見から、いい国を作れるのだと聞きました」
「我が学園では、軍への入隊を希望する者は、適正と訓練のため一年間を軍事教習院で過ごし、それ以外の者は最高学院へ進んで、それぞれの専門分野を学ぶ。どちらも狭き門だが、推薦があれば授業料も免除され、将来の昇格も約束される」
昨日の件ではなかったらしいと安堵したサードは、報告するような内容でもない話を理事長がするのは珍しいなと、小さな違和感を覚えつつそう思った。
「それで、お前はどう思う?」
「『どう』とは?」
「聖軍事機関のことだ」
そんなことを問われても、特に感想は浮かばない。とはいえ、意味のない質問はしない人であるので、サードはどうにか考えて言葉を捻り出した。
「えぇと、攻撃は最大の防御という言葉通り、国にとって聖軍事機関は最大の攻撃の要ですよね? 軍事と国政のトップが違うからこそ、双方の意見から、いい国を作れるのだと聞きました」
「我が学園では、軍への入隊を希望する者は、適正と訓練のため一年間を軍事教習院で過ごし、それ以外の者は最高学院へ進んで、それぞれの専門分野を学ぶ。どちらも狭き門だが、推薦があれば授業料も免除され、将来の昇格も約束される」