◇◇◇
その翌日の早朝一番、サードは寮の扉の隙間から差し込まれた知らせによって、放課後の二回目の『休憩業務』後に理事長室を訪ねた。
しばらくは大人しくしていよう、と昨日考えた矢先の呼び出しだった。もしや、生徒会室で自分は余計な失言をしてしまったのだろうか、と考えて心配になり、朝からずっと気が重かった。
理事長室に入ると、守衛の一人に案内されていつもの応接席へと通された。既に理事長は珈琲を口にしながら、こちらを待っている状態だった。
「お前に、聖軍事機関への推薦が上がっているのを知っているか」
珈琲カップをテーブルに戻したところで、理事長がそう切り出した。告げる表情は微動もしておらず、サードはどう反応したら機嫌を損ねないのか考えた末、ひとまずは「いいえ」と正直に手短に答えた。
「――だろうな。一部から推薦が上がっているらしいと、学園で進んでいる『事情』を知らない私の友人が報告してきた」
「はぁ。なるほど……?」
その翌日の早朝一番、サードは寮の扉の隙間から差し込まれた知らせによって、放課後の二回目の『休憩業務』後に理事長室を訪ねた。
しばらくは大人しくしていよう、と昨日考えた矢先の呼び出しだった。もしや、生徒会室で自分は余計な失言をしてしまったのだろうか、と考えて心配になり、朝からずっと気が重かった。
理事長室に入ると、守衛の一人に案内されていつもの応接席へと通された。既に理事長は珈琲を口にしながら、こちらを待っている状態だった。
「お前に、聖軍事機関への推薦が上がっているのを知っているか」
珈琲カップをテーブルに戻したところで、理事長がそう切り出した。告げる表情は微動もしておらず、サードはどう反応したら機嫌を損ねないのか考えた末、ひとまずは「いいえ」と正直に手短に答えた。
「――だろうな。一部から推薦が上がっているらしいと、学園で進んでいる『事情』を知らない私の友人が報告してきた」
「はぁ。なるほど……?」