「ああ、なるほど。それで俺に話をしたのか」
なんだ、そんなことかとサードは緊張が解けた。
「理事長にも話は通してあるんだが、タイミングが良いのか悪いのか『月食』について把握している人間が今年は特に少ないらしい。日時だけでも特定出来れば、ゆっくり構えていられるんだがな」
どうやら理事長も、今の段階では生徒会(かれら)に月食関係を知らせることはしてないようだ。ということは、つまりロイが持つ首飾りの件は、まだ進んでいないのだろう。
現在の状況を把握するべく、冷静に頭の中で情報を整理し出していたサードは、次に発せられたロイの言葉に飛び上がった。
「それで、スミラギ先生だが」
「は。……え、スミラギ?!」
「そうだ。理事長とは別に、保険を担当している『スミラギ』だ」
つい、いつものよにう呼び捨てで口にしてしまったら、ロイが強い眼差しで確認するように名前を繰り返してきた。
なんで彼の口からその名前が、とサードは動揺した。自分と一緒に潜伏している相手であるし、さすがに慎重派な理事長が明かすとは考えにくい。
なんだ、そんなことかとサードは緊張が解けた。
「理事長にも話は通してあるんだが、タイミングが良いのか悪いのか『月食』について把握している人間が今年は特に少ないらしい。日時だけでも特定出来れば、ゆっくり構えていられるんだがな」
どうやら理事長も、今の段階では生徒会(かれら)に月食関係を知らせることはしてないようだ。ということは、つまりロイが持つ首飾りの件は、まだ進んでいないのだろう。
現在の状況を把握するべく、冷静に頭の中で情報を整理し出していたサードは、次に発せられたロイの言葉に飛び上がった。
「それで、スミラギ先生だが」
「は。……え、スミラギ?!」
「そうだ。理事長とは別に、保険を担当している『スミラギ』だ」
つい、いつものよにう呼び捨てで口にしてしまったら、ロイが強い眼差しで確認するように名前を繰り返してきた。
なんで彼の口からその名前が、とサードは動揺した。自分と一緒に潜伏している相手であるし、さすがに慎重派な理事長が明かすとは考えにくい。