恐らく、以前レオンが口にしていた聖軍事機関への内定の件だろうか。

 サードとしては、皇帝の騎士という言い方に嫌な予感を覚えた。まさか聖騎士の頭数に数えられている、なんて面倒なことにはなっていないだろうな?

「…………おい。おい生徒会長」
「なんだ?」
「まさか、俺にも戦えって言うんじゃないだろうな……? それは『皇帝』であるお前と、そのとりまき共の役割だろう」

 尋ねる口許が、無意識に引き攣った。

 すると、ロイが小馬鹿にするように片眉を引き上げ「そこまでは知っているのか」と、どこか感心したような口振りで言った。なんだか、そのおかげでわざとらしいというか、どこか演技臭くも感じた。

「悪魔と戦うのは、初代聖騎士の血族の義務だからお前は含まれていない。悪魔に耐性がない人間は、魔力に呑まれるからな」
「ま、まぁそうだよな」
「ただな、被害者を少なくするためにも、ことが始まったら出来るだけ戦闘区域から生徒を逃がすつもりでいる。その場合、話を知っている奴がいた方が、ことも運びやすいと思ってな」