◇◇◇
生徒会室の扉前に到着した途端、バタンッと内側から開かれた。
レオンに引っ張られていたサードは、両目を見開いたソーマと目が合った。彼はどこか安堵したように「いらっしゃい」と告げると、慌てたように奥の備え付けのキッチンへと引っ込んでいく。
いやいやいや。いらっしゃい、じゃなくて助けろよ。
レオンに襟首を掴まれたままのサードは、これは身長差のせいなのだろうか、と諦めの心境で生徒会室を見回した。会長席から黒いオーラを発する、美麗ににっこりと微笑むロイの顔が目に入り、下手な抵抗はしない方が身のためらしいと悟った。
訳が分からぬ間に休息の場が整い、エミルとユーリスの「いっただっきまーす」という呑気な掛け声と共に、生徒会の優雅な茶会が始まった。
しばしサードは、苺の乗ったショートケーキを茫然と眺めた。
左隣に腰かけたレオンに「ぼけっとしていないでお持ちなさい」とケーキの小皿を持たされ、右隣に座ったユーリスに「はい、これも」とフォークを手渡されてようやく、死に絶えていた表情に力が戻って片頬が引き攣った。
「……この状況、おかしくね?」
生徒会室の扉前に到着した途端、バタンッと内側から開かれた。
レオンに引っ張られていたサードは、両目を見開いたソーマと目が合った。彼はどこか安堵したように「いらっしゃい」と告げると、慌てたように奥の備え付けのキッチンへと引っ込んでいく。
いやいやいや。いらっしゃい、じゃなくて助けろよ。
レオンに襟首を掴まれたままのサードは、これは身長差のせいなのだろうか、と諦めの心境で生徒会室を見回した。会長席から黒いオーラを発する、美麗ににっこりと微笑むロイの顔が目に入り、下手な抵抗はしない方が身のためらしいと悟った。
訳が分からぬ間に休息の場が整い、エミルとユーリスの「いっただっきまーす」という呑気な掛け声と共に、生徒会の優雅な茶会が始まった。
しばしサードは、苺の乗ったショートケーキを茫然と眺めた。
左隣に腰かけたレオンに「ぼけっとしていないでお持ちなさい」とケーキの小皿を持たされ、右隣に座ったユーリスに「はい、これも」とフォークを手渡されてようやく、死に絶えていた表情に力が戻って片頬が引き攣った。
「……この状況、おかしくね?」