「兄ちゃん、ベランダから落ちたんだって分かる?」

そういって、手を握って来た弟の手は、大きく感じた。

身長もなんだか少し大きく感じて

「なんか身長大きくなったか?」と弟に聞くも

「3年も眠ってたんだよ、兄ちゃん」

驚いた。

僕はそんなに寝ていたのか。

駆け付けた主治医と名乗る先生は、淡々と状況を説明し、頭の中は、よくわからない単語でいっぱいだった。

なぜ3年も眠っていたのか、原因はわからなかったらしい。

落ちた衝撃で折れた骨は、完治していた。