はぁ、と小さくため息をこぼしながらアスファルトの上に座り込んだカイくんにつられるように私もアスファルトに座った。
「ドンマイって……お前なぁー他人事みたいに言いやがって」
「だって、それしか言いようないじゃん」
「ちょっとは、ごめんね?とか可愛く言えないわけ?」
「可愛くなくてすみませんでした!!」
まあ、言い合いっぽくなってしまうのは変わっていないけれど。
それがカイくんと私らしくていいのかしれない。
特段、気を遣わなくていいし。
「ウソウソ。ハルは何もしてなくても可愛いからな」
「お世辞をありがとうございます」
「お世辞じゃねぇし」
「私のどこに可愛い要素があるのやら……」
ガサツだし、面倒くさいことは嫌いだし、裁縫とか、細かい作業は苦手だし。できることと言えば、料理くらいだ。
こんなやつのどこを気に入って好きになってくれたのかさっぱりわからない。
「お前の可愛いところは俺だけが知っていれば十分」
「な、なにそれ……!」
急に真剣な顔してそんなこと言って頭を撫でないでよ。
不意にこういうことをされるとこっちだって不本意ながらドキドキしてしまう。
こんなの……不可抗力だ。