「そっか。お疲れ様」
江奈とは夏休み中、彼女の部活が休みの日に何度か遊んだりしているからそんなに久しぶり感もない。
ただ、江奈にはおばさんに言われたことは話していない。
話してしまえば、きっと江奈はまた私を心配してくれるから。
部活で忙しいのに私のことで心配させたくない。
見栄を張っていると言われればそれまでかもしれない。
でも……江奈には本当にたくさんの迷惑と心配をかけてきているからこれ以上頼ることは出来ないのである。
野菜を切り終わって一段落したので、江奈と二人きりで砂浜を歩く。
歩くたびにさくさくと砂が音を立てる。それが何故か心地よかった。
「相変わらず、滝沢くんの人気はすごいね!」
ふと、そんなことを言った江奈の視線の先を見るとカイくんが女の子に囲まれている様子が私の視界にも映った。
やっぱり、モテるんだなぁ……。
まあ、そりゃあ、あの顔にあの性格だもんね。
逆にモテないほうがおかしいか。
「だね~、まあモテるのもわかる気がするけど」
カイくんはとても優しいから。