きっと、お母さんもわたしがクラスの集まりに参加することが嬉しいんだろうな。
あの日以来、人との関わりは避けるようにしていたから。
「ありがとう」
にっこりと微笑んでくれているお母さんにわたしも微笑みを返し、玄関のドアを開けて外に出た。集合場所までは歩いて向かう。
集合時間は10時で今は9時半だから余裕で間に合うだろう。
せっかくだし楽しめるといいな。
どうか、問題なんて起こりませんように。
そう願いながら額から流れる汗をハンカチで拭いながら10分ほど歩いて着いたのは海辺の近くのバーベキュー場。
こんなところにバーベキュー場なんてあったんだ。
そういえばSNSの動画で紹介されているのを観たかもしれない。
「あ、楠川さん!こっちだよ!」
クラスの女の子が私のことに気がついてぶんぶんと手を振ってくれたから私もそちらに向かって歩いていく。
みんな可愛い服装してるなぁ。
キラキラしていてなんだか別次元にいるみたいだよ。
「これ、よかったらと思ってお肉持ってきたの」