【陽音side】

夏休みに入り、連日うだるような暑さが続いていた。

今日はクラスでバーベキューをするらしい。
そんな誘いのメッセージが数週間前に来ていた。

よっぽどの理由がない限り行ったほうがいいと江奈が言っていたので、あまり気が進まないけれど特に用事のない暇人な私も参加することにした。

聞くところによると、朝から夕方くらいまでクラスの親睦を深めるためにみんなで楽しむんだとか。

まあ、江奈がいるからまだいいけれど。

寝起きのぼんやりとした頭でそんなことを考えながら私服に着替えてのろのろと準備をする。
腰まである髪の毛は下ろしていると暑いからお団子にしてまとめることにした。

おかしくないかな……?
変に気合が入りすぎているってみんなに思われるのも嫌だしな。

まあ、いっか。
誰も私のことなんて見ていないだろうし。


「いってきまーす」

「いってらっしゃい、気をつけてね。あ、これみんなで食べて」


お母さんが渡してきたのはお肉と保冷材が入った保冷バッグだった。

こんなにもたくさん用意してくれていたんだ。