「三人で勉強した方が覚えも早くなるし楽しいだろ」
「そうだ、そうだ。何でも一人で抱え込もうとすんな。お前には俺らがいる。楠川さんもな」
「何があっても俺らはお前の味方だから。これからのお前の人生も俺らが明るくしてやるから安心しろ」
涙腺が崩壊してしまって、ただ泣くことしかできない俺に二人が背中を優しくさすってくれる。
こんなにも俺を想ってくれる友達がいて俺は幸せだ。
「ありがとう……っ。本当に、ありがとう……っ」
声を詰まらせながら何とか感謝の気持ちを言葉にする。二人は顔を見合わせるとふわりと笑った。
「なあ、快人」
しばらく泣いた後、背中をさすりながら侑歩がそっと俺の名前を呼んだ。
視線だけそちらに向けると、侑歩は複雑そうな表情を浮かべており、ゆっくりと口を開いて言葉を続けた。
「楠川さんに全部話した。勝手に話してごめん」
その言葉に大きく目を見開いて、まだ少しだけ出ていた涙が止まった。
ハルに全部バレちまったってことか。
彼女はどんな反応をしてどんな気持ちになったんだろうか。
「……」
背中から手を離して深く頭を下げた二人を俺は黙って見ていることしかできなかった。
「でも、俺は最後になろうが何だろうが、ちゃんと会って話した方がいいと思う。このままじゃお互いの為に良くない」